プロ(職人)から見た、「こんな施主は嫌だ!」その1
職人が行うべき役割について
建設現場の職人は、どのような役割を担っているのでしょうか。
職人は現場ではとても重要な仕事内容だと言われており、職人がいなければ建設現場は成り立つことができないとまで言えるでしょう。
その理由としては、実際に現場の施工を行っているのは職人であり、元請業者は現場のトータル的な監理を行っているからです。
大工工事や左官工事、とび工事や設備工事など実際に現場に携わる仕事を行っている職人がいなければ、現場は完成へと進めていくことができません。
日本ではこの職人の数が昔に比べて激減しており、さらに高齢化しているという現実があり深刻な問題になっています。昔であれば現場を取り仕切る優秀な職人がとてもたくさんいましたが、今ではその数も少なくなってきており、人材不足に悩まされています。
職人が困ってしまう施主について
元請業者だけではなく、職人においても施主の指示というのは絶対的なものです。
お客様の要望は、しっかりと受け入れその要望に応じた建物を施工することが一番の目的になるでしょう。
しかし、とくに個人住宅においては無理な要望を行ってくる施主もたくさんいます。個人住宅の場合、建物の構造や素材、カラーなどにあまり詳しくない人が多く、要望を行うことは全て通るという考えを持っている施主も少なくありません。
しかし、極力施主の要望を取り入れてあげたいと考えるのも職人の役割だと言えます。戸建て住宅の場合、とても高価な買い物になりますので、失敗のないこうして欲しいという要望は取り入れて施工をしたいと考えますがそれには限界があります。
とくに、構造上の問題の場合はその要望を受け入れてあげることは困難でしょう。
職人の意見を取り入れない施主も多い
ベテランの職人になればなるほど、施工に関する知識はとても豊富でただ施工を行うということだけではなくリスクもしっかり考慮して施工を行うことができます。施主の意見に対して、どのようなリスクがあることなのかもしっかり判断ができる、優秀な人材になっているでしょう。
その職人の意見を取り入れてくれない施主の対応もとても大変です。施主の意見や要望は、極力汲み取ってあげたいと考えても、物理的に無理な場合や例えば強度的に問題のある施工の要望などは受け入れることはできません。施主にはできるだけ職人の意見をしっかり受け入れるようにするべきでしょう。長年の経験でしっかりとした判断をしていますので、職人の意見は正しいことがほとんどです。色々な施主がいますが、無理な要望の対応はとても大変です。