プロ(職人)から見た、「こんな施主は嫌だ!」その2
施主の要望をしっかりと取り入れることが職人
職人に求められていることはどのようなことでしょうか。
多くの職人の中でも、戸建て住宅に携わっている職人はとても大変な仕事だと言えます。
公共工事ではなく、民間の戸建て住宅の場合は、施主からの要望はとても難しいことが多く、施主によっては無理難題な施工を依頼されることも珍しくありません。
物理的に不可能な施工を依頼される場合はしっかりと断ることができますが、無理ではない施工に対してはしっかりとその要望を受け入れ施工を行うことも職人に求められていることだと言えるでしょう。
施主からの要望を反映して作られた家が作れてこそ、本当の信頼できる職人でしょう。
反対に施主からの要望を無視して作られた家については、優秀な職人であっても信頼できる職人だとは言えません。
つまり、職人は建物の施工を行う上でとても重要な役割を担っているポジションだと言えるのです。
施主からの困る要望について
施主からの要望はとても多岐に渡ります。とくに戸建て住宅の場合、失敗のしない自分が理想としている建物を建てたいという施主からの要望は多く、外壁の素材やカラー、そして構造や価格までとても長い時間をかけて検討を行うことが多いと言えます。
しかし、このような検討は職人については有難いことになる場合もあります。施主がしっかり検討をして決めたのですから、施工のやり直しを行う可能性は低くなり、また完成後はとても納得できる建物が完成する可能性が高くなるからです。
しかし、施工を急がすような施主の対応はとても困ります。施工を行うスピードには限界があり、また工程を無理に早めることは構造的な問題も発生することがあります。とにかく早く施工を済ませて欲しいという要望は、職人にとっては一番辛い状況となるでしょう。
工期短縮は簡単なことではない
建設現場において、工期を短縮することはとても難しいことです。
反対に、工期が延長してしまうことが多く、その延長の原因となるのが天候です。
施主から工期を短縮するようにとの要望は受け入れ難く、天候を無視したような施工を行えば構造の強度の問題も発生してしまうでしょう。
素材や構造、カラーの要望は職人として受け入れて施工を行う必要がありますが、工期の短縮の要望はなかなか受け入れてあげることは難しいことなのです。施主にはできるだけこうした要望はして欲しくないというのが職人の気持ちでしょう。
施主や元請業者、そして職人が一体となり施工を行うことが、良い建物を建設できるということになります。それぞれお互いが良い意見を出し合い、その意見や要望に正しく進んで行くことこそが最高の建物に繋がっていくのです。