菅原金物店

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鑿(のみ)のメンテナンス

日本の建物で欠かせない鑿の魅力
日本の鑿の歴史はとても長く、その歴史は本刀を鍛えていた刀匠たちの鍛冶技術から始まっています。なぜ、日本の建築物で鑿が欠かせない存在になっているかと言えば、木造建築として綺麗な曲線や地震にも耐えることができる細かい細工、そして滑らかな木の肌触りを実現する上で鑿がとても重要な存在になっているからです。反対に、日本の鑿を作る技術力が向上したので、このようなことが実現できるようになったとも言えるでしょう。現在鑿を作っている会社はとても少なくなりましたが、日本の大工で鑿を持っていない人はいないほど大切な存在になっていますので、少なくなった鑿の製造会社はとても大切にされています。鑿でしか作ることのできない細かい作業や、鑿だから実現できる大胆な細工まで鑿の魅力は限りがありません。
鑿のメンテナンスで重要なポイント
鑿は歯が欠けることがなければそのまま使用できると思うかもしれませんが、鑿もしっかりメンテナンスを行わなければ切れ味などが変わってきます。とくに高価な鑿ほどメンテナンスは欠かせなくなるでしょう。反対にしっかりメンテナンスを行っていればまさに愛用として長く使用することができます。鑿のメンテナンスで日頃から行うべきことは鑿を研ぐことです。鑿を磨くことはとても難しく、日頃から鑿を扱っている人でも難しい作業です。砥石の面を平らにして行うことが基本で、切刃の角度は、木材の硬さや用途により全く変わってきます。例えば、木成鑿の場合は22度から28度くらいの角度がちょうど良いとされており、追入鑿の場合においては24度から30度くらいの角度に合わせて研ぐことが良いとされているのです。この角度の調整が狂うと鑿は大きなダメージを受けてしまいます。
鑿のお手入れはただ磨くだけではない
また日頃のメンテナンスだけではなく、鑿は握っている手元の部分のお手入れも重要になります。握っている部分は木製で、長く使用することでダメージが発生してしまいます。お手入れ方法としては、まずは手元の柄の抜き方を知っておくことから始めましょう。柄は引き抜くことができ、その部分をお手入れすることができるようになっています。柄を抜いて磨きなどのお手入れを加えると、また長く使用することができます。また、柄の抜き方を知っておくと、鑿の部分を交換することができます。これはお手入れというわけではありませんが、もし鑿の歯が欠けてしまったなどのダメージを受けた場合、柄から抜き取って鑿の部分を交換できることを知っておきましょう。日頃のお手入れを行っているだけで長く使用できる物なので、高価な物を購入して長く使用するようにしましょう。